常々むぎょ劇場

常々むぎょのブログ別館。小説置き場になる予定

神の処刑【即興小説トレーニング】

 一分の光も入らぬ地下。松明の炎が舐めるように照らす中、牢獄の檻が開かれる。痩せこけた身体に伸びた体毛を乗せた人間が、看守に引きずられて檻の外に出た。
 石の怪談は、彼の裸足から容赦なく体温を奪っていく。役人のブーツはぴかぴかに磨かれており暖かそうだったが、最早うらやましいと思う気すらない。ぺた、ぺた、カツン、カツン、2つの足音が、ひやりとした地下牢に響く。
 
 
即興小説トレーニングを手直ししたものです)

ちいさい秋

 木枯らしが吹きすさぶも、日差しがささやかな温もりをもたらす午後。茶色や黄色が目立つようになってきた庭に、冷たいサンダルをつっかけて降り立った。
 南天の茂みの奥に、どんぐりが二つ三つ転がっている。欠けも虫食いもなく、ワックスをかけたみたいにつやつやした木の実だった。
 
(即興小説トレーニングを手直ししたものです)